犬の外耳炎とは?[2026.02.04]
繰り返す「耳のかゆみ・におい」の本当の原因をわかりやすく解説します
「最近、犬がよく耳をかく」
「耳が赤い、においがする、汚れが多い」
このような症状で動物病院を受診する理由として、外耳炎はとても多い病気です。
外耳炎は一度よくなっても再発しやすいという特徴があり、「なかなか治らない耳の病気」と感じている飼い主さんも少なくありません。
この記事では、犬の外耳炎について
・どんな病気なのか
・なぜ繰り返しやすいのか
・どう向き合っていく病気なのか
を、飼い主さん向けにやさしく解説します。
犬の外耳炎ってどんな病気?
犬の耳は、
耳介 → 垂直耳道 → 水平耳道 → 鼓膜
というL字型の構造をしています。
このうち、**耳の入り口から鼓膜までの「外耳道」**に炎症が起きた状態を「外耳炎」と呼びます。
外耳道の皮膚は体の皮膚と似た構造をしており、
・皮脂腺
・耳垢腺
・毛
が存在します。
そのため、湿気・皮脂・汚れがたまりやすく、炎症が起きやすい場所でもあります。
外耳炎の主な症状
外耳炎では、次のような症状がよくみられます。
・耳をかく、頭を振る
・耳が赤く腫れている
・耳垢が増える(茶色・黄色・膿状など)
・耳から強いにおいがする
・耳を触られるのを嫌がる、痛がる
初期は「少しかゆそう」程度でも、悪化すると強い痛みや耳道の腫れが出てくることがあります。
外耳炎は「耳だけの病気」ではありません
外耳炎というと
「耳が汚れたから」
「菌が増えたから」
と思われがちですが、それだけが原因ではありません。
現在、犬の外耳炎は
「なぜ起きたのか」を考えることがとても重要な病気
と考えられています。
外耳炎を理解するカギ:PSPP分類
外耳炎は、次の4つの視点で考えます。
・主因:外耳炎を引き起こした根本原因
・副因:細菌やマラセチアなどの感染
・増悪因:耳道の腫れ・狭窄・慢性変化など、治りにくくする要因
・素因:耳の形や体質など、なりやすさ
この考え方をもとに診断・治療を行うことで、再発を減らすことができます 。
外耳炎の「本当の原因」で多いもの
特に重要なのが主因です。
犬の慢性・再発性外耳炎では、
アトピー性皮膚炎や食物アレルギーなどのアレルギー疾患
が最も多い原因として知られています。
実際、
・アトピー性皮膚炎の犬の多くが外耳炎を経験している
・皮膚症状より先に「耳」だけに症状が出ることもある
と報告されています 。
つまり、
耳を治しているつもりでも、体のアレルギーが原因だと再発しやすい
ということです。
外耳炎の治療はどう進めるの?
外耳炎の治療は、状態に応じて段階的に行います。
初期治療の考え方
・無理な耳洗浄や点耳は行わない
・痛みや炎症をまず抑える
・耳垢検査で感染の有無を確認
外耳炎の初期治療では、**「耳を嫌いにさせないこと」**もとても大切です 。
薬について
・炎症が主体:抗炎症薬(主にステロイド)
・細菌・マラセチアが多い場合:抗菌薬・抗真菌薬を追加
感染は多くの場合「二次的なもの」であり、
主因の管理ができれば自然に落ち着くケースも少なくありません。
なぜ外耳炎は繰り返すの?
外耳炎が再発しやすい理由には、次のようなものがあります。
・アレルギーなどの主因が未治療
・耳道が慢性的に腫れて狭くなっている
・自己判断で治療を中断してしまう
・耳掃除や洗浄のやりすぎ
「一度治ったように見えても、実は完全には落ち着いていない」
というケースはとても多いのです。
ご家庭で気をつけてほしいこと
・自己判断で耳掃除をしすぎない
・綿棒を奥まで入れない
・症状がなくても、定期的に耳のチェックをする
・「また同じ耳だな」と感じたら早めに受診する
特に、アレルギー体質の犬や垂れ耳・耳毛の多い犬は、
症状がない時期の管理がとても重要になります。
まとめ|外耳炎は「付き合い方」が大切な病気です
犬の外耳炎は、
「その場しのぎで治す病気」ではなく、
原因を見つけて、再発を防いでいく病気です。
・耳だけを見るのではなく、体全体を見る
・良くなっても、定期的にチェックする
・獣医師と一緒に長期的な管理を考える
これが、外耳炎と上手に付き合っていく一番の近道です。
「耳が気になるな」と思ったら、
症状が軽いうちに、いつでもご相談くださいね。










































