前足にしこりができた猫ちゃん[2023.08.14]
先日、10歳の猫ちゃんが数日前より右前足を気にして噛んでいて、肉球に擦り傷のようなものがあるということで来院されました。
初回診察時には、肉球に並んでしこりが存在しておりました。
細胞診検査を行うと共に抗生剤、消炎剤を用いて治療開始しましたが、あまり治療効果は出図、さらに細胞診検査では悪性腫瘍を疑う所見あり、
という診断でした。
より効果的な治療法を決めていくにはもう少し情報が必要でしたので、後日組織をブロックで採取する生検という検査を行ったところ、
リンパ腫という診断でした。
通常、リンパ腫は血液の腫瘍であり、ヒトやイヌでは全身的に症状が出ることが多いのですが、ネコでのリンパ腫の発生は。腸や鼻の中、胸腔内など決まった箇所に部分的にしこりを作ることが多いです。
ただ、今回のように右前足の皮膚の下(皮下組織)にしこりを作るタイプはレアケースです。針を刺して細胞を見るだけでは診断がつかなかったのですが、組織診断まで実施してようやく治療方針がきまりました。
リンパ腫の治療は、多くの場合抗がん剤が使われます。
後日抗がん剤を開始し、現在、しこりは無くなっています。
通常、しこりが発見された場合、手術をして、しこりをとってから、必要であれば抗がん剤を投与することになりますが、
事前に生検をすることで、手術なしに治療することができました!!
治療前の写真(ちょっと、刺激が強いので、横からの写真にします)
治療後の写真