胆石が詰まってしまった猫ちゃん
2023.08.23
前の日から、吐いていて、食欲がないという事で先日、11歳の男の子の猫ちゃんが来院されました。
検査して、調べてみると、小さい胆石がいくつかあり、その胆石が総胆管という管に詰まっていました。
胆石というのは、肝臓に隣接している胆嚢という袋の中にできてしまった石であり、通常はありません。
胆嚢は、
肝臓で作った胆汁という消化酵素を溜めておく袋であり、ご飯を食べると
胆嚢が縮む頃で、中の胆汁が総胆管という管を通って、十二指腸(小腸)に流れます。
今回は、胆嚢の中にできた石(胆石)が総胆管に詰まってしまいました。
猫ちゃんの総胆管は、うねうねしていて、できれば外科ではなく、内科で治ってもらいたいところでした。
入院してもらい、点滴及びその他の治療行ったところ、総胆管から、なんとか石が流れてくれて、元気になって退院しました。
そろそろ外科をするか検討していたところでしたので、なんとかお腹を開けずに治ってくれて、本当に良かったです。
今回、初めて病院にいらっしゃった猫ちゃんでした、早急に検査ができたため、発見することができました。
治療前 (丸の中:胆石、矢印:詰まっている石)
治療後(丸の中の胆石はありますが、矢印の先にあった石が無くなっています)
同じ症状の記事
-
今回は、猫ちゃんの胆嚢摘出についてです。 今朝まで、食欲があったのに急に吐き始めたとの事で来院され、 いろいろ検査して、入院となりました。 以...
2024.07.24
-
繰り返す尿道閉塞を起こす猫ちゃんに対し、会陰尿道瘻術を行いました。 会陰尿道瘻術は、雄猫ちゃんのペニスを切除し、雌猫ちゃんのような尿道に作り直す手術です。...
2024.05.17
-
排便時のいきみ、しぶりがあり、食欲がなくなってきた という事でシーズーさんが来院されました。 診察してみると、会陰ヘルニアでした...
2024.03.30
-
循環器(心臓病など)のお話
(心臓病など)近年、獣医療の発展により動物の寿命ものび、それに伴い心臓疾患も増加傾向にあります。
初期の心臓病では、症状がないことも多く、身体検査にて初めて心臓病の存在が疑われることがありますので、定期的な診察をお勧めしております。また、ワンちゃんやネコちゃん...つづきを読む
-
腫瘍科(がん)のお話
(がん)近年、ワンちゃん・ネコちゃんの腫瘍の病気が増えてきています。動物の世界でも平均寿命が延びてきていて、高齢化により腫瘍ができる可能性が増えていることが、一番の理由と考えられています。 また、獣医療の進歩や、飼い主様の健康管理や病気予防の意識の高まりに...
つづきを読む
飼い主さまの声