犬の副腎皮質機能低下症(アジソン病) 〜「ぐったりする・食欲がない・吐き気や下痢が続く」などのサインに気づいたら〜[2025.11.14]
■ どんな病気?
副腎という臓器から分泌されるコルチゾールやアルドステロンなどのホルモンが不足し、体の調整機能がうまく働かなくなる病気です。
典型的には電解質(ナトリウム・カリウム)のバランスが乱れますが、
非典型的なタイプ(電解質が正常に見えるタイプ)もあるため、注意が必要です。
■ よく見られるサイン
・元気がない、動かなくなる
・食欲が落ちる、体重が減る
・嘔吐や下痢をくり返す
・震える、ふらつく
・水を飲む量やおしっこの変化
これらは他の病気でも見られるため、検査での見極めが大切です。
急にぐったりして意識がもうろうとする「アジソンクリーゼ」は緊急対応が必要です。
■ どうやって診断するの?
症状や、血液検査・尿検査の検査結果より、副腎皮質機能低下症が疑われたら、
必要に応じて安静時コルチゾールを測定します。
そのうえで、確定診断として次の検査を行います。
・ACTH刺激試験
アジソン病では、ACTHを投与してもコルチゾールが上昇しないのが特徴で、
この検査が確定診断の中心となります。
※ お薬の一部が検査に影響することが報告されています。
検査前に使用した薬は必ず獣医師に知らせてください。
■ 治療は?
副腎皮質機能低下症では、不足しているホルモンを補います。
補うものとしては、以下のものがあります。
グルココルチコイド
体の代謝やストレス反応を整えるホルモンです。
症状や生活状況に合わせて、必要最小限の量で調整していきます。
ミネラロコルチコイド
典型的なアジソン病でみられる電解質の乱れを補正するホルモンです。
血液検査での電解質の状態を確認しながら量を調整します。
急性期(アジソンクリーゼ)の場合
点滴やホルモン注射で状態を安定させ、
落ち着いた後に内服・注射の維持療法へと移ります。
■ 通院とモニタリング
・元気・食欲・吐き気・下痢などの日々の変化
・血液検査(電解質)の定期チェック
・状況に応じてコルチゾール測定
これらを組み合わせ、薬の量を過不足なく調整しながら治療を続けます。
■ 予後について
適切な治療と管理ができれば、良好な長期予後が期待できる病気です。ホルモン補充と定期的なモニタリングが必要です
■ 飼い主さんができること
・食欲・元気・便の状態を日々チェック
・環境変化や旅行などストレスのかかる場面では追加治療が必要なことがあるため相談を
・お薬は自己判断で増減・中止しない
・嘔吐が続く、ぐったりしている場合は早めに受診
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