犬の肺動脈弁狭窄症とは?症状・治療・予後をわかりやすく解説[2026.03.10]
犬の健康診断やワクチンの時に、
「心雑音がありますね」と言われたことはありませんか?
子犬の心雑音の原因として比較的多い先天性心疾患のひとつが
肺動脈弁狭窄症(はいどうみゃくべんきょうさくしょう)です。
この病気は軽度なら無症状のこともありますが、重度の場合には
失神や突然死につながることもあるため、早期診断と適切な治療が大切です。
この記事では、最新の獣医学研究を参考にしながら
・犬の肺動脈弁狭窄症とは
・症状
・診断方法
・治療
・予後
について、飼い主さん向けにわかりやすく解説します。
犬の肺動脈弁狭窄症とは
肺動脈弁狭窄症は、
心臓から肺へ血液を送る弁(肺動脈弁)が狭くなってしまう先天性心疾患です。
心臓の右心室から肺へ血液が送り出されるとき、
肺動脈弁がうまく開かないと血液の流れが妨げられます。
その結果
・右心室に強い負担がかかる
・心臓の筋肉が厚くなる
・血液循環が悪くなる
といった問題が起こります。
肺動脈弁の弁尖が厚くなったり癒合したりすることで発生すると考えられています。
また、この病気は
犬で多い先天性心疾患のひとつとされています。
好発犬種
肺動脈弁狭窄症は特定の犬種で多く見られます。
代表的な犬種
・フレンチブルドッグ
・ブルドッグ
・ボクサー
・チワワ
・ミニチュアシュナウザー
・ビーグル
近年の研究では、短頭種で遺伝的背景が関与する可能性が指摘されています。
犬の肺動脈弁狭窄症の症状
症状は重症度によって大きく異なります。
軽度の場合
症状がほとんどないこともあります。
中等度〜重度になると
・運動すると疲れやすい
・散歩を嫌がる
・呼吸が荒くなる
・失神(突然倒れる)
・発育不良
などが見られることがあります。
多くの場合、健康診断で心雑音として最初に発見されることが多い病気です。
診断方法
診断には以下の検査を行います。
聴診
胸の音を聞くと
特徴的な強い収縮期心雑音が聞こえることがあります。
レントゲン検査
心臓の形や肺の状態を確認します。
心電図
不整脈の有無を確認します。
心エコー検査(超音波検査)
最も重要な検査です。
心エコー検査では
・弁の形
・狭窄の程度
・血流速度
などを評価します。
研究でも、肺動脈弁狭窄症の重症度評価には心エコー検査が標準的な診断方法とされています。
治療方法
治療は重症度によって異なります。
軽度
経過観察のみの場合があります。
中等度〜重度
主な治療方法
内科治療
β遮断薬などの薬を使用することがあります。
カテーテル治療(バルーン拡張術)
現在の標準的治療です。
足の血管からカテーテルを入れ、
弁をバルーンで広げます。
研究でも、
バルーン弁形成術は肺動脈弁狭窄症の主要な治療法とされています。
予後(寿命)
予後は重症度によって変わります。
軽度
→ 正常寿命のことも多い
重度
→ 治療しない場合、心不全や突然死のリスクがある
研究では
・治療を行った犬の多くは症状が改善
・重度の症例でも生存期間の改善が期待できる
と報告されています。
早期発見がとても大切
肺動脈弁狭窄症は
・子犬の健康診断
・ワクチン時の聴診
で見つかることが多い病気です。
特に
・心雑音を指摘された
・失神したことがある
・疲れやすい
このような症状がある場合は
循環器診療が可能な動物病院での検査をおすすめします。
まとめ
犬の肺動脈弁狭窄症は
・比較的多い先天性心疾患
・心雑音で見つかることが多い
・重症の場合は失神や突然死のリスク
・カテーテル治療で改善することも多い
という特徴があります。
早期診断によって、
適切な治療や管理ができる病気です。










































