犬の会陰ヘルニア|初期症状・手術の判断・費用・寿命への影響
2025.04.15
「最近、お尻の横が腫れている気がする」
「うんちをするときに強くいきむようになった」
「会陰ヘルニアと言われたけれど、手術した方がいいの?」
このようなお悩みをお持ちではありませんか?
会陰ヘルニアは中高齢のオス犬に多くみられる病気です。初期には便秘のような症状しか見られないこともありますが、進行すると排便や排尿ができなくなり、命に関わる状態になることもあります。
今回は犬の会陰ヘルニアの初期症状、手術が必要になるケース、費用の目安、寿命への影響について解説します。
会陰ヘルニアとは?
会陰ヘルニアとは、肛門の周囲にある筋肉(骨盤隔膜)が弱くなり、その隙間から直腸や脂肪、前立腺、膀胱などがお尻の皮膚の下へ飛び出してしまう病気です。
中高齢の未去勢オス犬で多くみられ、加齢や男性ホルモンの影響、前立腺疾患などが関係していると考えられています。
犬の会陰ヘルニアの初期症状
会陰ヘルニアの初期には以下のような症状がみられます。
排便時に強くいきむ
便を出そうとして長時間力むことがあります。
便秘になる
便が出にくくなったり、細い便になることがあります。
お尻の横が膨らむ
肛門の左右どちらか、または両側が膨らんで見えることがあります。
排便に時間がかかる
何度も排便姿勢をとるようになります。
初期症状は便秘と似ているため、見逃されることも少なくありません。
会陰ヘルニアが進行するとどうなる?
病気が進行すると、お尻の膨らみが大きくなり、排便障害が悪化します。
さらに重症化すると、膀胱や腸がヘルニア内に入り込むことがあります。
その結果、
- 尿が出ない
- 何度も排尿姿勢をとる
- 食欲がなくなる
- 元気がなくなる
- 嘔吐する
といった症状が現れることがあります。
特に尿が出なくなった場合は緊急治療が必要です。
犬の会陰ヘルニアは寿命に影響する?
会陰ヘルニア自体が直接寿命を縮める病気ではありません。
しかし、放置すると排便や排尿ができなくなり、全身状態が悪化する可能性があります。
特に膀胱が入り込み尿道が閉塞した場合は命に関わることがあります。
そのため、
- お尻の腫れ
- 排便時の強いいきみ
- 便秘が続く
といった症状がある場合は早めの受診をおすすめします。
会陰ヘルニアは手術が必要?
会陰ヘルニアの根本的な治療は手術です。
便を柔らかくする薬や食事療法で症状を緩和できる場合もありますが、筋肉の隙間そのものは治りません。
そのため、多くの場合は手術が推奨されます。
特に以下のような場合は早めの手術を検討する必要があります。
- 排便障害が進行している
- お尻の腫れが大きくなっている
- 再発を繰り返している
- 膀胱が入り込んでいる
会陰ヘルニアの手術方法
手術では、弱くなった筋肉を補強し、飛び出した組織を元の位置へ戻します。
また、未去勢のオス犬では再発予防のために去勢手術を同時に行うことが一般的です。
病状によって術式は異なるため、詳しくは診察時にご説明します。
会陰ヘルニアの手術費用は?
手術費用は病院や病状によって異なります。
また、
- 片側か両側か
- 膀胱の逸脱があるか
- 入院日数
- 術前検査の内容
によっても変わります。
正確な費用については診察後のお見積りとなりますので、お気軽にご相談ください。
高齢犬でも手術できる?
会陰ヘルニアは高齢犬で発症することが多いため、
- 心臓病
- 腎臓病
- 内分泌疾患
などを併発していることもあります。
当院では術前検査を行い、全身状態を評価したうえで手術の可否を判断しています。
心臓病があるから必ず手術できないというわけではありません。
まずは現在の状態を確認することが大切です。
よくある質問
会陰ヘルニアは自然に治りますか?
自然に治ることはほとんどありません。
会陰ヘルニアは再発しますか?
術式や病状によっては再発することがありますが、適切な手術によって再発リスクを下げることができます。
去勢手術は必要ですか?
未去勢のオス犬では再発予防のため、会陰ヘルニアの手術と同時に去勢手術を行うことが一般的です。
まとめ
会陰ヘルニアは中高齢のオス犬に多くみられる病気です。
初期症状として、
- 排便時にいきむ
- 便秘になる
- お尻が腫れる
といった変化がみられます。
放置すると排尿障害や重篤な状態につながることもあるため、早期発見・早期治療が重要です。
お尻の腫れや排便の異常に気付いた場合は、早めに動物病院へご相談ください。

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