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症例コラム
症例コラム

寝ている間に失神するチワワちゃん

2025.03.14

いつも動物病院に通ってくださっている14歳のメスのチワワちゃん。最近、寝ている間に失神してしまうという心配な症状が見られました。飼い主さまは、愛犬の異変にとても心配され、受診してくださいました。

症状と検査

チワワちゃんは、寝ている間に意識を失ってしまうという症状を繰り返していました。

この症状から、不整脈が疑われました。そこで、より詳細な心電図検査である「ホルター心電図」を実施しました。

ホルター心電図とは、24時間心電図を装着し、その間の心臓の活動を記録する検査です。

今回、チワワちゃんには「ココロミル」社のホルター心電図を使用し、検査を行いました。

検査結果と診断

検査の結果、驚くべき事実が判明しました。チワワちゃんは、寝ている間に心臓が約7秒間も停止していたのです(洞停止)。

 

このことから、今回の失神は「反射性失神」という診断に至りました。

反射性失神とは、何らかの刺激によって心臓が一時的に停止し、脳への血流が低下することで起こる失神のことです。チワワちゃんの場合は、寝ている間の特定の体勢や呼吸などがトリガーとなり、反射性失神を起こしていたと考えられます。

治療と効果

チワワちゃんは、今回の失神以外にも、僧帽弁閉鎖不全症という心臓病を患っていました。しかし、軽度であったため、今回の失神との関連性は低いと判断されました。

そこで、心電図の解析を行ってくださった先生と相談し、総合的に判断した結果、抗コリン薬という薬を処方しました。抗コリン薬は、自律神経のバランスを整える働きがあり、反射性失神を予防する効果が期待できます。

そして、嬉しいことに、お薬を開始してから1週間後には、寝ている間に失神することがなくなりました!

失神の原因は様々

今回のチワワちゃんのケースのように、失神の原因は様々です。心疾患だけでなく、神経系や代謝異常など、様々な要因が考えられます。

しかし、ホルター心電図をはじめとした様々な検査を行うことで、原因を特定し、適切な治療を行うことができます。

まとめ

今回のケースでは、ホルター心電図という検査が、チワワちゃんの失神の正確な原因を特定する上で非常に役立ちましたが、

こ個々の症例に当てはまるものではありません。少しでも、ご不安なことがございましたら、遠慮なくお問い合わせください!

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