犬の椎間板ヘルニアとは[2025.12.29]
症状・治療・ご自宅で気をつけたいポイント
椎間板ヘルニアは、ワンちゃんによくみられる神経の病気のひとつです。
突然痛がったり、歩き方がおかしくなったりするため、飼い主さんにとってはとても心配になる病気でもあります。
ここでは、犬の椎間板ヘルニアについて、できるだけ分かりやすく解説します。
椎間板ヘルニアはどんな病気?
背骨は「脊椎(せきつい)」と呼ばれ、体を支えると同時に、脳から続く神経(脊髄)を守る大切な役割をしています。
この脊椎と脊椎の間には「椎間板」という組織があり、体を動かすときの衝撃を和らげています。
椎間板は、年齢や体質、日常の負担などによって少しずつ変化していきます。
その結果、椎間板が飛び出したり、膨らんだり、位置がずれたりして脊髄を圧迫すると、神経の働きに異常が生じます。
これが 椎間板ヘルニア です。
なりやすい犬種と発症のしかた
椎間板ヘルニアはすべての犬に起こる可能性がありますが、特に多い犬種があります。
・ミニチュア・ダックスフンド
・ウェルシュ・コーギー
これらは「軟骨異栄養性犬種」と呼ばれ、椎間板が若いころから変性しやすい体質を持っています。
発症のタイプ
・急に起こるタイプ
若い犬でも、ある日突然強い痛みや麻痺が出ることがあります。
・ゆっくり進行するタイプ
中高齢になるにつれて、少しずつ歩きにくくなるケースです。
特定の犬種に限らず、どの犬でも見られます。
椎間板ヘルニアの主な症状
症状は、ヘルニアが起きた場所より 後ろ側の体 に現れます。
初期に見られやすい症状
・抱き上げると嫌がる、鳴く
・背中や首を触られるのを嫌がる
・ジャンプや階段を避ける
・背中を丸めてじっとしている
進行すると…
・歩き方がふらつく
・足先を引きずる
・立ち上がれない
・自分で排尿ができなくなる
症状は「痛みだけ」で始まり、徐々に麻痺へ進行することもあります。
動物病院での診断
診断では、まず歩き方や反応を確認する 神経学的検査 を行います。
そのうえで、レントゲン検査を実施することが一般的です。
ただし、レントゲン検査だけでは、椎間板ヘルニアを正確に判断できないことも多く、
必要に応じて CT検査やMRI検査 を行い、詳しく状態を調べます。
椎間板ヘルニアの治療
治療方法は、症状の強さによって異なります。
内科的治療(保存療法)
・痛みが主な症状で、歩行が可能な場合
・消炎鎮痛薬の使用
・安静(ケージレスト)を徹底
軽症の場合は、この方法で改善することもあります。
外科的治療(手術)
・麻痺が出ている
・歩けない、排尿ができない
・症状が急激に悪化している
このような場合は、手術が勧められることがあります。
一般に、症状が出てから早く治療を始めるほど回復しやすいとされています。
再発と生活上の注意
椎間板は背骨全体にあるため、治療後に別の場所で再発することもあります。
そのため、症状が落ち着いたあとも、日常生活の工夫が大切です。
ご自宅でできる工夫
・床を滑りにくくする
・ソファや階段の上り下りを避ける
・適度な運動で筋力を保つ
・体重管理を行う(肥満を防ぐ)
体重が増えると、背骨への負担が大きくなり、再発のリスクも高まります。
さいごに
椎間板ヘルニアは、決して珍しい病気ではありません。
しかし、早めに異変に気づき、適切な治療と生活管理を行うことで、良い経過をたどるワンちゃんも多い病気です。
「いつもと歩き方が違う」
「急に痛がるようになった」
そんな変化に気づいたら、早めに動物病院へ相談することをおすすめします。










































