犬の動脈管開存症(PDA)とは?症状・治療・手術のタイミングをわかりやすく解説[2026.03.24]
子犬の健康診断で
「心雑音があります」と言われたことはありませんか?
その原因のひとつに
動脈管開存症(PDA:Patent Ductus Arteriosus)があります。
この病気は早期に治療すれば完治が期待できる心臓病ですが、
放置すると命に関わることもあるため、注意が必要です。
この記事では
・動脈管開存症とは
・症状
・診断方法
・治療(手術・カテーテル)
・予後
について、飼い主さん向けにわかりやすく解説します。
動脈管開存症(PDA)とは
動脈管開存症とは、
本来生まれた後に閉じるはずの血管(動脈管)が開いたまま残ってしまう病気です。
胎児のときには
・大動脈
・肺動脈
をつなぐ「動脈管」が存在し、重要な役割を果たしています。
しかし通常は出生後に自然に閉じます。
これが閉じずに残ってしまうと、血液が異常な方向へ流れ続けてしまいます。
その結果
・心臓に大きな負担がかかる
・心臓が拡大する
・心不全につながる
といった問題が起こります。
PDAは、犬で最もよく見られる先天性心疾患のひとつとされています。
好発犬種
以下の犬種で多く見られます。
・トイプードル
・ポメラニアン
・チワワ
・マルチーズ
・ヨークシャーテリア
小型犬での発生が多く、遺伝的関与も示唆されています。
症状
症状は進行するまで目立たないこともあります。
主な症状
・運動すると疲れやすい
・呼吸が速い・苦しそう
・咳
・発育不良
進行すると
・心不全
・失神
などが見られることもあります。
ただし多くの場合、
子犬の時期に心雑音で発見されることが多い病気です。
特徴的な心雑音
PDAでは
👉 連続性雑音(機械様雑音)
と呼ばれる特徴的な心雑音が聴取されることが多く、
診断の大きな手がかりになります。
診断方法
聴診
特徴的な心雑音を確認
レントゲン検査
心臓の拡大や肺の状態を確認
心エコー検査(最重要)
・動脈管の存在
・血流の方向
・心臓への負担
を評価します
近年の研究でも、
心エコー検査がPDA診断の標準的手法とされています。
治療方法
PDAは治療により改善が期待できる数少ない先天性心疾患です。
カテーテル治療(第一選択)
現在の主流です。
・血管からデバイスを入れる
・動脈管を閉じる
メリット
・体への負担が少ない
・回復が早い
近年の研究では、
カテーテル治療は高い成功率と安全性を持つ治療法と報告されています。
外科手術
カテーテルが難しい場合に実施
・動脈管を結紮(しばる)
現在でも有効な治療法です。
治療のタイミングが重要
PDAは
👉 早期に治療するほど予後が良い
とされています。
心不全になる前に治療できれば
・ほぼ正常な生活が可能
・寿命も期待できる
と報告されています。
予後
治療を行った場合
・多くの犬で良好な経過
・心臓サイズの改善
・症状の消失
が期待できます。
一方、未治療の場合は
・心不全
・寿命の短縮
につながる可能性があります。
早期発見がカギ
以下の場合は注意が必要です
・子犬で心雑音を指摘された
・呼吸が速い
・疲れやすい
このような場合は
循環器診療が可能な動物病院での検査をおすすめします。
まとめ
犬の動脈管開存症は
・よくある先天性心疾患
・心雑音で見つかることが多い
・放置すると心不全のリスク
・早期治療で完治が期待できる
という特徴があります。










































