犬の膿皮症(のうひしょう)とは?[2026.01.22]
― かゆみ・赤み・できものが気になるときに知っておきたい皮膚病 ―
「最近よく体をかく」「赤いブツブツが増えてきた」「同じ皮膚トラブルを何度も繰り返す」
そんな症状があるワンちゃんで、とてもよくみられる病気のひとつが犬の膿皮症です。
膿皮症は決して珍しい病気ではありませんが、タイプによって治療法や治療期間が大きく異なるため、正しい診断と継続的なケアがとても重要です。
犬の膿皮症とは?
犬の膿皮症は、皮膚に細菌(主にブドウ球菌)が増えることで起こる感染症です。
皮膚のバリア機能が弱ったところに細菌が増殖し、炎症やかゆみ、できものなどの症状を引き起こします。
膿皮症は、細菌がどの深さまで関与しているかによって、以下のように分類されます 。
犬の膿皮症の種類
表面性膿皮症
皮膚のごく表面で起こるタイプです。
細菌感染というより、細菌に対する過敏反応が関与していると考えられています。
・強いかゆみ
・赤み、じゅくじゅく、かさぶた
・顔まわり、腰、肛門周囲に多い
・「ホットスポット(化膿性外傷性皮膚炎)」が代表例
・このタイプでは、全身性の抗菌薬(飲み薬)が不要なことも多いのが特徴です。
表在性膿皮症
表皮や毛穴(毛包)に細菌感染が起こるタイプで、最もよくみられる膿皮症です。
・赤いブツブツ(丘疹)、膿疱
・虫食い状の脱毛
・フケの増加
・体幹部に多い
多くの場合、外用療法(シャンプーや消毒)+必要に応じて内服治療を行います。
深在性膿皮症
皮膚の深い部分(真皮〜皮下組織)まで細菌感染が及ぶ、重症型の膿皮症です。
・強い痛みや腫れ
・しこり、潰瘍、膿が出る
・全身状態が悪くなることもある
このタイプでは、長期間の全身抗菌療法が必要になることが多く、再発しやすい点にも注意が必要です 。
犬の膿皮症はなぜ繰り返すの?
膿皮症は、それ自体が「結果」であることが多い病気です。
つまり、背景に次のような要因が隠れていることがあります。
・アトピー性皮膚炎
・食物アレルギー
・ホルモン疾患(甲状腺機能低下症など)
・皮膚の蒸れ、汚れ
・免疫力の低下
そのため、膿皮症を治すことと同時に、再発の原因を探すことがとても大切になります。
膿皮症の治療について
外用療法(スキンケア)
多くの膿皮症で治療の基本となるのが、薬用シャンプーや消毒による皮膚ケアです。
・クロルヘキシジン配合シャンプー
・ローション、スプレー、ワイプ
クロルヘキシジンは、耐性菌に対しても有効性が高く、安全性が高いことが報告されています 。
内服治療(必要な場合)
表在性〜深在性膿皮症では、抗菌薬の内服が必要になることがあります。
重要なのは、
・体重に合った正確な量
・症状が良くなっても自己判断で中止しない
必要に応じて培養検査を行う
という点です。
症状が消えてからも一定期間投薬を続けることで、再発や耐性菌のリスクを減らします 。
おうちで気をつけたいこと
・指示された頻度でシャンプーを続ける
・皮膚を清潔・乾燥しすぎないように保つ
・体をよく観察し、小さな変化に気づく
・再発を繰り返す場合は、背景疾患の検査を検討する
まとめ
犬の膿皮症は、とても身近でありながら、奥の深い皮膚病です。
「よくある皮膚トラブル」と軽く考えず、
・どのタイプの膿皮症か
・なぜ繰り返しているのか
・今の治療が合っているか
を一緒に確認していくことが、ワンちゃんの皮膚を守る近道になります。
皮膚の赤み、かゆみ、できものが気になる場合は、早めにご相談くださいね。










































