フィラリア予防について[2013.05.01]
という訳で、前置きののち1回目の内容になります。
1回目は自己紹介や病院設備の説明とも思っていたのですが、、、飼い主様とお話ししていて気になったことがあります。
それは、『フィラリアの予防』についてです。 都内ではだいぶみられなくなってきた病気ですが、少し前まではワンちゃんの病気の主なものの1つでした。昔の病気というイメージがついているのも、現代のフィラリア予防がしっかりされている結果があってのことですので、油断は禁物です。
5月に入ったら、フィラリアがいないか血液検査でちゃんと確認して、予防のためのお薬を毎月1回あげていきましょう。
ただ、なかなかイメージがつきにくい病気ですし、結局何のために飲ませているか分からなくなってしまうことが多いと思います。
細かい話はまたまとめて掲載、又は院内でご説明いたしますが、今回はよくある質問に回答する形式で簡単に書かせていただきます。
Q、フィラリアの薬はなぜ月1回飲ませるの?
A、フィラリアは、蚊がワンちゃんの血を吸う時に感染するするのは、ご存知だと思います。 基本的には100%蚊をよけたり、虫さされを防ぐことはできません。
フィラリアのお薬とは、体に入ってきたフィラリアの幼虫をやっつけるお薬のことです。ただ、効果は飲ませたときしかありません。
また幼虫が体に入ってしばらくすると、幼虫が成長して薬が効かなくなるので、確実に効果を出すため月に1回のお薬になります。
Q、薬はいつからいつまで飲ませるの?
A、5月〜12月、又は11月末までの計8回です。都内の蚊の発生時期に合わせて、蚊がいなくなるシーズンまで飲ませることになります。
Q、薬を飲む前に血液検査が必要といわれましたが、どういう検査ですか?
A、フィアリアの幼虫が血液の中にいるかどうかで、フィラリア症かどうかを判定します。その年の薬を始める前なので多くは4〜5月におこないます。 多くの場合、足の血管から少量の血をとって、顕微鏡で確認します。
ちなみに、当院ではフィラリアの検査のみは2000円でおこなっています。また、この機会に腎臓や肝臓などの健康診断のための血液検査をあわせておこなう事も可能です。こちらは通常フィラリアの検査+血液検査で9000円のところ、7000円でおこなっております。
Q、薬を飲ませるのが大変です。背中につけるタイプもできているか不安です。でも8回も薬が必要なら、コストも抑えたいのですが、、、
A、フィラリアのお薬は、現在様々な製薬会社から多数用意されております。
①錠剤のタイプ;昔からあるオーソドックスなタイプです。
②お肉のチュアブルタイプ;柔らかいお肉の中に薬剤がはいってます。
③クッキーのタイプ;おやつのクッキーの中に薬剤がはいってます。
④背中につけるタイプ;皮膚から薬剤を吸収させるタイプです。
⑤注射で投与するタイプ;持続して効果を出す薬剤を注射します。1年間有効です。
現在主にこの5つに分類されます。①〜④は効果は同じで月に1回です。
①は犬種にもよりますが、一番小さい薬剤になります。またワンちゃんの体が大きい場合一番コストが抑えられます。
②、③は好んでくれるようだと、予防行為がワンちゃんにとっては『ごほうび』になるかもしれません。
④はあわせてノミの予防にもなりますので、複数の予防になりますが、ダニには効果がないので、ダニの予防をするのに別のノミ・ダニ予防薬を使う必要が出てしまいます。
⑤は薬剤の種類により半年1回と1年1回のものとあります。1回で済むので、投与し忘れがなく、病院でおこないますので確実に予防ができます。ただ、一番コストがかかるのと、当院では予約が必要になります。
薬の種類によって一長一短ありますので、その子の性格やオーナー様のご希望にあわせてご案内させていただきます。
Q、去年に飲ませ忘れた薬が1個家にあったので、それを飲ませてから薬を始めてもいいですか?
A、飲ませ忘れてしまう事はあると思います。しかし、検査をせずにフィラリアのお薬を飲ませるのは危険な行為です。
万が一フィラリア症の子がお薬を飲むと、血液中のフィラリアの幼虫が一斉にこわされるので、虫の成分が全身に広がりアレルギー症状を引き起こします。また、異常が出なくても、フィラリアの検査の結果が正しく出なくなるので、まず検査をおこなってからご相談ください。
皆様によく聞かれる質問を例に書いてみましたが、情報がやはり多いため分かりづらいと思います。 インターネットでも様々な方の考え方や意見が書いてあるので、どのように予防するかは、ご自身で選択するしかありません。 そんなときは、私たちのご相談ください。
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