猫の心筋症とは?見逃されやすいサインと診断・治療について[2025.07.31]
はじめに
「健康に見えたのに、急に呼吸が苦しそうに…」「気づいたときには、もう重症だった」
そんなふうに、猫の心筋症はとても気づかれにくい病気です。
特に多いのが「肥大型心筋症(HCM)」で、猫の心臓病の中でも最も一般的なタイプです。
この記事では、猫の心筋症の症状・診断・治療・注意すべきポイントについてお伝えします。
猫の心筋症ってどんな病気?
心筋症とは、心臓の筋肉に異変が生じる病気です。
猫に多く見られるのは「肥大型心筋症」で、心臓の筋肉が異常に分厚くなり、心臓内の空間が狭くなって血液を十分に送り出せなくなる病態です。
進行すると、うっ血性心不全や血栓塞栓症といった命に関わる状態を引き起こすこともあります。
心筋症には他にも、心筋が薄くなって収縮力が落ちる「拡張型心筋症」などもあります。
どんな猫がなりやすいの?
猫全体の心筋症の有病率は15%前後とされ、特に高齢になるほどリスクが高まる傾向があります。
生後2ヶ月齢で発見された例もあるため、若いからといって安心できる病気ではありません。
発症リスクが高いとされる猫種には、メイン・クーン、ラグドール、ペルシャ、ブリティッシュ・ショートヘア、ノルウェージャン・フォレスト・キャットなどがあり、雑種でも多く認められています。
どんな症状があるの?
心筋症は初期には症状が現れにくい病気ですが、進行すると以下のような症状が見られるようになります:
・呼吸が速い、苦しそうに見える
・食欲の低下、元気がない
・後ろ足が動かない、ふらつく、麻痺
・突然倒れる、痛がる
・舌や歯ぐきが紫色(チアノーゼ)
これらは主にうっ血性心不全や血栓塞栓症によって引き起こされます。
症状が出た時点で、すでに重度に進行しているケースが多いため、注意が必要です。
診断はどうやって行うの?
猫では心雑音が聞こえない心筋症も多く、聴診だけでは見逃されることがあります。
そのため、心筋症の診断には以下のような検査が必要です:
・レントゲン検査:心臓や肺の状態確認
・心臓超音波検査(心エコー):壁の厚さや動き、血流の評価
・血圧測定・血液検査:他の病気の影響や血栓リスクを確認
特に心エコー検査は、心筋症の早期診断と進行評価に不可欠です。
治療と経過観察
心筋症は根本的な治療が難しい病気ですが、進行を遅らせたり症状を抑えることは可能です。
・心拍を整える薬や血管拡張薬、血栓予防の薬による内科治療
・症状が出ている場合は酸素吸入や点滴治療
・定期的な心エコー検査で状態の確認
また、近年では血液検査で心筋障害の指標となるバイオマーカーの測定も可能になっており、超音波検査が難しい猫への補助的な診断法として活用されています。
まとめと当院の取り組み
猫の心筋症は「静かに進行する病気」であるがゆえに、早期発見と定期的なチェックが何より重要です。
当院では、循環器学会認定医による診察と、必要に応じた心臓検査を行っております。
「心雑音があると言われた」「最近元気がない」など、気になることがあればお気軽にご相談ください。










































