犬の僧帽弁閉鎖不全症とは?原因・進行・ステージ分類を解説[2025.08.05]
はじめに
「最近、愛犬がよく咳をするようになった…」「年齢的に心臓が心配で…」そんなお声をよく伺います。
小型犬にとても多い心臓病のひとつが「僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)」です。
今回は、この病気の基礎的な内容をわかりやすくご紹介します。
僧帽弁閉鎖不全症ってどんな病気?
心臓には血液の流れを一方向に保つ「弁(バルブ)」があります。
その中でも、左心房と左心室の間にある「僧帽弁」がうまく閉じなくなることで、血液が逆流してしまう状態を「僧帽弁閉鎖不全症(MMVD)」と呼びます。
特に小型犬(チワワ、マルチーズ、キャバリアなど)では年齢とともに多く見られる病気で、進行すると心不全を起こすことがあります。
どんなふうに進行するの?
MMVDは、少しずつ進行していく「慢性疾患」です。
最初は症状が出ないことがほとんどですが、やがて血液の逆流が心臓に負担をかけ、最終的には「心不全(しんふぜん)」という命に関わる状態に至ることもあります。
ただし、進行のスピードは犬によって異なり、早期に見つけて適切にケアすることで、長く元気に過ごせるケースもたくさんあります。
ACVIMのステージ分類とは?
この病気の進行具合を把握するために、アメリカ獣医内科学会(ACVIM)ではステージ分類を提唱しています:
● ステージA:
まだ異常はないが、将来的にリスクがある犬(例:キャバリアなどの好発犬種)
● ステージB1:
心雑音はあるが、心臓の大きさは正常。無症状の状態
● ステージB2:
心雑音+心臓の拡大が認められる。
● ステージC:
咳や呼吸困難などの症状が出始めた段階(心不全の徴候)
● ステージD:
通常の治療では管理が難しくなった進行期
この分類に沿って治療方針や検査項目が決まっていきます。
おわりに
「心臓の病気=すぐに命に関わる」と不安になってしまうかもしれません。
でも、僧帽弁閉鎖不全症は、早く気づいて、定期的にチェックしながら付き合っていける病気です。
次回は、「どんな症状があれば注意が必要?」という“初期サイン”についてお話しします。
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