犬の副腎皮質機能亢進症 〜「水をよく飲む」「お腹がぽっこり」そんなサインはありませんか?〜[2025.11.11]
■ どんな病気?
体の中でつくられる「コルチゾール」というホルモンが必要以上に多く作られてしまう病気です。
主な原因は
・下垂体(脳の一部)の異常:PDH
・副腎(腎臓のそば)の腫瘍:ADH
のいずれかです。
どちらのタイプかによって、治療方法が変わる場合があります。
■ どんな症状があるの?
次のような症状が複数みられるとき、注意が必要です。
✅ よくみるサイン
・水をよく飲む・尿の量が増える
・食欲が増える
・お腹がぽっこりしてくる
・毛が薄くなる/皮膚がうすくなる
・皮膚の治りが遅い
・同じ感染症(皮膚・尿路など)を繰り返す
何となく「年だからかな?」と思われがちな変化ですが、
副腎皮質機能亢進症が隠れていることがあります。
■ どうやって診断するの?
まずは
・身体検査
・血液検査
・尿検査
・お腹の超音波検査
そのうえで、
・ACTH刺激試験
・低用量デキサメタゾン抑制試験(LDDST)
・尿中コルチゾール/クレアチニン比
などのホルモン検査を組み合わせて診断します。
検査前に飲んでいるお薬が検査結果に影響する場合があります。
とくに一部の鎮静薬は検査値を下げる可能性があり、
事前にお薬情報を獣医師にお伝えください。
■ 治療は?
治療は、原因や症状、全身状態に合わせて選びます。
✅ お薬でコントロール
もっとも一般的な治療です。
・トリロスタン
コルチゾールを作りすぎないよう調整する薬です。
少量から開始し、変化をみながら量を調整していきます。
・ミトタン
昔から使われている薬で、コルチゾールを作る組織を選択的に壊すことで効果を発揮します。
現在はトリロスタンより使用頻度は低いですが、症例によっては選択されることがあります。
治療中は、
・元気
・食欲
・水を飲む量
・尿の量
・毛や皮膚の状態
など、日々の様子をよく観察することが大切です。
必要に応じて、
・血液検査
・ACTH刺激試験
などで安全に薬が効いているかを確認します。
✅ 手術(副腎摘出:ADHの場合)
副腎腫瘍(ADH) が原因の場合、
治療の第一選択は「副腎摘出(手術)」 です。
ただし、
・血管へ広がっている場合
・他の臓器に転移している場合
・麻酔のリスクが高い場合
などでは、手術が難しく、お薬(内科治療)による管理が選択されることがあります。
✅ 放射線治療・外科治療(下垂体腫瘍が大きい場合)
下垂体腫瘍そのものが大きい場合、
・放射線治療
・外科手術
が選択されることがあります。
専門施設への紹介が必要となる場合があります。
■ 放置するとどうなる?
・肝臓への負担
・糖尿病の併発
・感染症が治りにくくなる
・筋力低下
などが起こり、生活の質が低下します。
腫瘍が原因の場合には、大きくなっていく可能性もあるため、
早めの診断・治療が大切です。
■ おうちでできる観察
・水をどのくらい飲むか
・おしっこの量
・食欲
・体重
・毛や皮膚の変化
これらを毎日気にしていただくことで、
治療効果の判断につながります。
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