犬・猫の心臓病と食事管理[2025.08.22]
はじめに
犬や猫が「心臓病」と診断されると、飼い主さまから必ずといっていいほどご質問をいただくのが「食事はどうしたらいいですか?」という点です。
実は心臓病と食事の関係はとても奥が深く、必ずしも「療法食に切り替えれば良い」という単純なものではありません。大切なのは、その子の病態や生活の質(QOL)を考えながら、適切なフードや与え方を選んでいくことです。
心臓病と食事の関係
- 塩分(ナトリウム)の制限
心臓病では体に水分がたまりやすくなるため、塩分を抑えることが基本とされています。
ただし、過度な制限は食欲不振や栄養不足につながるため、主治医と相談しながら調整が必要です。 - 体重と栄養バランス
肥満は心臓への負担を増やす要因です。一方で痩せすぎも体力低下を招くため、適正体重を保てる食事が望まれます。
療法食は必ずしも必要?
心臓病用の療法食は「ナトリウム制限」や「心臓に配慮した栄養設計」がされていますが、
- 食いつきが悪い
- 高齢で嗜好性が落ちている
- 持病(腎臓病や膵炎など)との兼ね合い
といった理由で合わないケースも少なくありません。
さらに、心臓病の状態によっては、療法食だと塩分を抑えすぎてしまい、逆に体調を崩すこともあります。
例えば初期の段階では、そこまで強い塩分制限は必要ない場合もあるため、必ずしも療法食一択ではなく、一般食を工夫して使うことが望ましいケースもあります。
食欲が落ちたときの工夫
心臓病の犬や猫は、薬の副作用や進行によって食欲が落ちることもあります。そんなときは:
- フードを少し温めて香りを立たせる
- ウェットフードやスープ状にして水分も一緒に摂らせる
- トッピングを少量加えて嗜好性を上げる
といった工夫が有効です。ただし、過剰なトッピングや人間の食べ物(特に塩分の多いもの)は控えるようにしましょう。
食事管理で大切なこと
- 無理に「これしかダメ」と決めず、その子が美味しく食べられて、かつ心臓への負担を減らせるフードを探すことが大切です。
- 薬との相互作用(サプリメントやトッピングも含む)は必ず獣医師に確認を。
- 定期検診(心エコー、血液検査など)で病態を評価しながら、食事方針を微調整していきましょう。
まとめ
心臓病の犬や猫にとって、食事は治療の大切な柱の一つです。
ただし「必ず療法食にしなければならない」というものではなく、その子の病態によっては塩分制限が強すぎると逆効果になることもあるため、個別に調整が必要です。
大切なのは、無理なく続けられて、生活の質(QOL)を保てる食事 を選ぶことです。
食事選びに迷ったときは、どうぞお気軽にご相談ください。










































