猫の慢性腎臓病の治療とケア[2025.10.10]
はじめに
猫の慢性腎臓病は、完治することが難しい病気ですが、適切な治療と日常のケアによって進行を遅らせることができます。
ここでは、治療の目的と、猫が少しでも快適に過ごすために行うケアについて紹介します。
治療の目的
・腎臓の機能をできるだけ保つこと
・症状を和らげて、快適に生活できるようにすること
・進行をできるだけ遅らせること
主な治療内容
1.食事管理(療法食)
・腎臓に負担をかけにくい低リン・低タンパク質の食事を与えます。
・食事を変えるだけでも、病気の進行を抑える効果が期待できます。
・食べてくれない場合は、好みや体調に合わせて他の腎臓用フードに変更することも可能です。
2.投薬
・高血圧やタンパク尿がある場合には、血圧を下げたり腎臓への負担を軽減する薬を使うことがあります。
・食欲不振や吐き気に対して、制吐剤や食欲増進剤を使うこともあります。
3.皮下補液
・脱水を防ぐために、皮下点滴(皮下補液)を行うことがあります。
・動物病院で行うほか、状態が安定していれば飼い主さんが自宅で行うケースもあります。
・点滴の量や頻度は、腎臓の状態に応じて調整します。
ご自宅でのケアのポイント
・いつでも新鮮な水を飲めるようにする(自動給水器や複数の水皿がおすすめ)
・食欲や尿量の変化を毎日チェックする
・定期的な体重測定で、体調の変化を早めに気づく
・投薬や補液の方法で困ったときは、必ず獣医師に相談する
定期検診の重要性
・血液検査や尿検査を定期的に行い、腎臓の状態を確認します。
・数値の変化を追うことで、治療内容をその都度調整できます。
・定期的なフォローが、長期的な安定につながります。
まとめ
猫の慢性腎臓病は、食事・投薬・補液・定期検診を組み合わせて進行を抑えていく病気です。
飼い主さんの観察とケアが、猫の生活の質(QOL)を保ち、穏やかに過ごすための支えになります。










































