犬・猫から人にも感染するSFTSとは?~マダニが媒介する命に関わる感染症~[2025.10.14]
はじめに
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)は、犬や猫、そして人にも感染するウイルス感染症です。
ニュースなどでも耳にする機会が増えていますが、感染すると命に関わることもある非常に危険な病気です。
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)を発症した猫の看病をしていた飼い主さまが感染し、亡くなられたという事例が報告されており、今年(2025年)には、三重県で入院中の猫の治療にあたっていた獣医師がSFTSに感染し、その後亡くなるという事例も起こりました。
SFTSとは?
SFTSは、マダニが媒介するSFTSウイルスによって起こる感染症です。
日本では西日本を中心に発生していますが、近年は東日本でも感染例が確認されています。
まだ報告のない地域でも、ウイルスを持つマダニが見つかっており、全国的に注意が必要です。
どのように感染するの?
・マダニに噛まれることで感染
・感染した犬や猫の血液・唾液などから人にうつることがある
マダニは草むらや公園、河川敷など、身近な場所にも潜んでいます。
散歩中のワンちゃんや外に出るネコちゃんはもちろん、室内飼いの猫でも、人の服に付着したマダニが家に持ち込まれることで感染する可能性があります。
犬や猫が感染するとどうなる?
症状は人とよく似ており、特に猫では重症化するケースが多く報告されています。
主な症状
・突然元気がなくなる、ぐったりする
・発熱
・嘔吐や下痢などの消化器症状
・黄疸(白目や皮膚が黄色くなる)
・血小板や白血球の減少
💡 猫では致死率が60%を超えるとの報告もあり、非常に注意が必要です。
現在の治療法
SFTSには有効なワクチンや特効薬はありません。
治療は、脱水や発熱などの症状を和らげる「対症療法」が中心になります。
そのため、感染しないように予防することが最も大切です。
感染を防ぐためにできること
1.駆虫薬で定期的に予防
・最も確実な対策は、動物病院で処方されるマダニ予防薬を使うことです。
・市販品では効果が不十分なこともあります。
・フィラリアやノミも同時に予防できるタイプなど、体質や生活環境に合わせて選びましょう。
2.体をこまめにチェック
・マダニは耳・首・わき・足の付け根など、毛の薄い部分に付きやすいです。
・ブラッシングやスキンシップの際に、体をよく観察しましょう。
マダニを見つけたら取らない
・ピンセットなどで無理に取ると、マダニの口が皮膚に残ってしまい、感染の危険があります。
・見つけたら触らずに、そのまま動物病院へ。
・室内飼いの猫も注意
完全室内飼いの猫でも、マダニのリスクはゼロではありません。
人の衣類に付いて侵入したり、ベランダや窓際から入り込むこともあります。
「外に出ないから大丈夫」と思わずに、定期的な予防を続けることが重要です。
まとめ
SFTSは、犬・猫・人のいずれにも感染する恐ろしい病気です。
現時点でワクチンや特効薬がないため、「予防すること」こそが最善の対策です。
マダニ予防は、ペットの命とご家族の健康を守る第一歩です。
気になることがあれば、ぜひご相談ください。










































