猫の乳腺腫瘍(にゅうせんしゅよう) 〜見つけたとき、まず知っておきたいこと〜[2025.10.24]
乳腺腫瘍ってなに?
猫のおっぱいの組織にできる「しこり」の総称です。猫では悪性(がん)が多いのが特徴で、転移もしやすい腫瘍です。ただし、早めに見つけて適切に治療することで、経過が良くなるケースもあります。
どんなサインに注意すればいい?
・乳首の周りに小さなコリコリが触れる
・しこりが短期間で大きくなってきた
・赤み・潰瘍・分泌物がある
・元気や食欲の低下、体重減少
・これらに気づいたら早めに受診を。
どうやって調べるの?
1.身体検査と画像検査
触診に加え、レントゲン検査で肺への転移を確認します。
2.細胞・組織の検査
細い針で細胞を採る検査(細胞診)で手がかりを得て、確定診断は切除組織の病理検査で行います。リンパ節に転移があるかどうかは予後(先行き)に強く影響します。
治療の基本
・外科手術(腫瘍の切除)が第一選択です。
猫ちゃんの乳腺腫瘍では、腫瘍が発生した部位だけを摘出するような手術では、手術部位またはその他の乳腺に高い確率で新たに腫瘍が発生してしまうため、腫瘍が発生した乳腺片側または両側全切除が推奨されます。
・腫瘍の広がり方によって、化学療法との併用が推奨されます。
予防や再発チェックは?
・早めの発見が最大のカギ。月1回のスキンシップをかねた触診で、乳腺の列をやさしく指で転がすようにチェックしましょう。
・避妊手術との関係
避妊した子と比較して、未避妊の子では乳腺腫瘍の発生率が高いことが知られています。
・術後フォロー:手術後は定期的に診察・画像検査を行い、再発や転移の早期発見に努めます。
まとめ
猫の乳腺腫瘍は、犬に比べて悪性の割合が高く、早期発見・適切な手術がとても重要です。
お腹をなでるときに「小さなしこり」に気づいたら、様子を見ずに早めに受診してください。
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