犬の甲状腺機能低下症〜「太ってきた・元気がない」そのサインかも〜[2025.11.05]
どんな病気?
甲状腺という首のところの臓器が十分にホルモンを作れなくなる病気です。
ホルモンが少ないと、体の代謝がゆっくりになり、「太りやすい」「動きたがらない」「毛や皮膚のトラブルが増える」といった症状が出ます。
よく見られるサイン
・食べる量が増えているのに体重が増えてきた
・あまり動きたがらない/すぐ寝てしまう/散歩を嫌がる
・毛が抜ける・背中やしっぽの毛が薄くなる・ふけが増える
・皮膚がベタベタしてきた、耳のトラブルを繰り返す
・寒がりになった
・まれに気分が落ちているように見える・ボンヤリしている
どうやって診断するの?
・症状をチェック
まずは上に書いたような「典型的な症状」があるかを確認します。
・血液検査
血液検査で甲状腺ホルモンと甲状腺刺激ホルモンの値を調べます。
ただし、他の病気や薬の影響でホルモンの値が低く見えることもありますので注意が必要です。
・その他の病気がないか調べる
甲状腺以外の病気で甲状腺機能が低下して見えることもあるので、他の臓器や全身状態を確認します。
なぜなるの?
甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモン欠乏によるもので、そのほとんどが甲状腺組織の破壊による原発性甲状腺機能低下症です。
自己抗体が検出されるリンパ球性甲状腺炎と、原因不明の甲状腺萎縮の2つの病態があります。
治療は?
基本的にはホルモンを補う薬を使います。
・レボチロキシン(L-T4)という薬を1日1〜2回飲ませます。体重当たりの量で開始し、効果と安全性をみながら調整します。
・改善の目安:
活動性の低下は1週間以内に改善することが多く、高脂血症や貧血は通常であれば数週間以内に改善します。
皮膚症状や末梢神経症状の改善には、数か月かかることもあります。
通院・検査のしかた
治療開始後、症状の変化を観察したり、血中の甲状腺ホルモンを測定し、現在のお薬の量が適正であるかを判断していきます。
注意しておきたいこと
・「低T4=すぐ薬」ではない:他の病気や薬の影響でT4が下がる“偽の甲状腺機能低下(Sick Euthyroid syndrome)”もあるので注意が必要です。
・太っているからといってすべてが甲状腺のせいではない:肥満や運動不足でも体重が増えることがあります。
・一度良くなっても中断しない:甲状腺が元通りになるわけではないため、薬は基本的に継続します。
・他のホルモン病と一緒に起きることもある:クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)などと同時に見られることがあります。
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