再発性角膜上皮びらんのワンちゃん
2024.11.06
今日は、7歳の去勢された雄のフレンチブルドッグさんが当院に来院されたお話をお届けします。
前日の夜から左目が開かないとのことで、心配の中での来院でした。
検査結果と診断
診察の結果、角膜に傷が見つかりました。点眼治療を行ったものの、回復が見られず、再発性角膜上皮びらんを疑うこととなりました。再発性角膜上皮びらんは、、角膜の一番上の層の上皮細胞とその下の実質が接着不良を起こし、角膜の傷が治らなくなってしまう病気です。
綿棒を用いてうまく付着してない角膜の上皮を除去する処置を行った後、目薬をお家で点眼してもらいましたが、
あまり改善が認められなかったため、
ワンちゃん用のコンタクトレンズを使用し、目薬や内服薬を継続することにしました。
治療の経過
コンタクトレンズをつけた後、無事に角膜上皮びらんは治りました。
再発性角膜上皮びらんは、中高齢以降のどんな犬種にも発症しますが、ボクサーやウェルシュ・コーギー、柴犬などの犬種に好発する病気で、治療には目薬や内服薬だけでは不十分な場合があります。角膜の上皮細胞を除去する処置が必要になることがあります。
時には、外科的な治療が求められ、角膜の表面にダイヤモンドバーで刺激を与えたりすることも必要ですが、、今回はその必要がなく、上皮細胞を拭って、コンタクトレンズで角膜を保護することで改善が見られました。
まとめ
最終的には、抗生剤の内服と目薬で無事に回復し、元気な姿を見せてくれました。目の健康は犬にとって非常に重要ですので、異常を感じたら早めにご相談くださいませ!!
同じ症状の記事
-
今回は、朝から目がおかしいとの事で来院されたチワワさんです。 診察してみると、目のしょぼつき、充血、角膜の浮腫、などありまして、 眼圧を測定してみる...
2020.10.05
-
循環器(心臓病など)のお話
(心臓病など)近年、獣医療の発展により動物の寿命ものび、それに伴い心臓疾患も増加傾向にあります。
初期の心臓病では、症状がないことも多く、身体検査にて初めて心臓病の存在が疑われることがありますので、定期的な診察をお勧めしております。また、ワンちゃんやネコちゃん...つづきを読む
-
腫瘍科(がん)のお話
(がん)近年、ワンちゃん・ネコちゃんの腫瘍の病気が増えてきています。動物の世界でも平均寿命が延びてきていて、高齢化により腫瘍ができる可能性が増えていることが、一番の理由と考えられています。 また、獣医療の進歩や、飼い主様の健康管理や病気予防の意識の高まりに...
つづきを読む
飼い主さまの声